2012/12/21〜22 青鬼集落

概要

行き先 白馬村青鬼集落
目的 青鬼集落見学、北陸本線・信越本線・辰野支線123系乗り納め
同行者 なし
鉄道乗車距離 769.3q


発着時刻 駅名 行先
23:54 新宿 快速ムーンライト信州81号 白馬行
05:13
06:12
信濃大町 大糸線 普通 南小谷行
07:00
07:05
信濃森上 徒歩 青鬼集落へ
07:55 青鬼集落 (到着)
09:10 青鬼集落 徒歩 信濃森上駅へ
10:20
11:15
信濃森上 大糸線 普通 南小谷行
11:28
11:49
南小谷 大糸線 普通 糸魚川行
12:44
13:30
糸魚川 北陸本線 特急はくたか13号 越後湯沢行
13:52
13:57
直江津 信越本線 普通 長野行
15:36
16:05
長野 篠ノ井線 普通 甲府行
17:20 松本 (到着)
18:22 松本 篠ノ井線 普通 中津川行
18:40
18:58
塩尻 中央本線 普通 辰野行
19:18
19:46
辰野 飯田線 普通 岡谷行
19:57
20:03
岡谷 中央本線 普通 甲府行
21:33
21:36
甲府 中央本線 普通 高尾行
23:00
23:01
高尾 中央本線 普通 東京行
23:55
23:57
新宿 山手線 渋谷・品川方面
00:16 品川 (到着)

当日の流れ

長野県白馬村の青鬼集落へ。棚田100選と重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。夏の終わりに行こうと思ったが、ベストシーズンは北アルプスに雪がある時か棚田に水が入っている時なので、冬に回した。本当は次の春に行きたかったが、流石に自重した。(現在高2)

今回は、大糸線〜北陸本線〜信越本線〜篠ノ井線〜辰野支線〜中央本線と回っていく。

家を出て品川駅へ。先週引退したサークルの後輩が合宿に行くのにムーンライトながらを待っているところに遭遇。私は信州なので新宿へ。

新宿に着き、発車ホームへ。最終の中央ライナーの発車前だったので、大量の会社員が列を成す。ちなみに中央ライナーの停車駅は立川・八王子・高尾なので、彼らはその辺りから通勤しているようだ。自転車通学のみからすると毎日そんな長距離移動するのは辛そうに見える。その後、中央ライナーが出たので、このホームから出る列車はムーンライト信州しか無くなった。客層は鉄ヲタ、登山家、スキー客など。

ムーンライト信州が入線してきた。189系長野車の6両。古さが見える。中々ない臨時列車なので、通勤客から不思議そうな視線が。

さて、乗車した。運行回数が少ない上に週末だけあって満席。だが新宿発車時点では空席がちらほら。運賃節約を試みる人々は立川から乗ってくるし、八王子あたりの住民も乗ってくるので。だが、八王子を過ぎても隣の客が来ない。キャンセルだかなんだか知らないが、運が有った。2号車に空席はここのみ。

さて、業務放送が入り、高尾に臨時停車することを知る。前の列車が詰まっているとか。20分くらい停まっていたんじゃないか。前に座っている信濃大町へ行く親子の男(70代と50代)が話していてうるさかったのだが、さらに諏訪湖に釣りに行くという60代男が話に加わって非常にうるさい。ちなみに70代の親は前の席の高2に絡んでいたのだが、何回か説明しても高2の事を大3だと勘違いしていて、話がかみ合っていなかった。

高尾を20分程遅れて出発した後、放送で「甲府には定刻に到着します」と連絡が。この辺りで寝たかったのだが、前の親子がうるさいのも有ったし前日は11時に起きたので寝られなかった。結局薄い意識のまま進んでいった。甲府到着で寝られない危機を感じ、塩尻で雪に気付き、松本でこれから一日間意識を全力で維持しなければならないことに気づき、苦しむ。

さて、穂高やら豊科やらを過ぎていくので景色が見たいところだが、生憎真っ暗。唯一見えたのは、豊科の農地の中で大きな焚火をする地元民である。そのまま信濃大町で下車。駅前は真っ暗だし、栄えている感じでもなかった。タクシーが待機しており、乗る人も。バス発着所もあり、黒部方面に行けるようだが当然時間が早すぎる。

1時間待ち、大糸線に。信濃大町発車時点では空いている。1ボックス2人程度か。途中駅の乗降は簗場スキー場が多かった。降りる人間というより、乗る人間(スキー客)が何故か多い。最初は真っ暗だが徐々に明るくなり、白馬駅で日の出を迎える。

白馬駅でかなりの乗降が有り、立ち客も出る。この1つ先の信濃森上駅で下車した。降りたのは私と60代男性のみ。このおっさんに「どこか向かうの?」と聞かれたので、山に上がっていくと言う。おっさんは高台にある大糸線撮影ポイントと解釈したらしく、姫川と大糸線を絡めた撮影をしに行くとか言っていた。しかし、私は撮影に行くのではない。外見と装備が撮り鉄なのでたまに誤解されるが、田舎駅で降りるのは史跡見学である。

さて、外が意外に暗い。日の出は過ぎているが、雲が濃い上に雪が割と降っている。道の積雪が結構あるので、上下スキーウェア&登山靴の装備で出発。

ここからは4キロほど進み、青鬼集落を目指す。後半2キロは山登り。谷を通る大糸線沿いの道は家々が並び、雪は固まっているので歩きやすい。この道をずっと直進し、途中のX字路(?)で「→青鬼」という看板を見つけた。左下から来たのだが、角度のせいで標識を誤解し右下へと入っていく。するとすぐに道が無くなった。轍が全くない雪原である。ここを進まなければ到達できないとは恐ろしい集落だ、と思ったが少し進んだところで、そういえば姫川第二ダムの右側ではなく左側を周っていくんだったと気付く。ちなみに、今地図を見てみたら先程の雪原はただの農地であった。

X字路までもどり、更に直進する。すると中部電力の事務所の所で姫川を越える鉄橋に出会った。上には大糸線の橋梁が見える。ここから先は青鬼に行く人間しか入らない。橋を渡って少し行ったところで、「青鬼まで1.5km」という標識が現れた。ここが青鬼の手前にある最後の集落である。

さて、ここから轍が消えた。薄い痕跡はあるが、その上に雪が積もっている。最後の車の出入りは昨日の夕方なのだろうか、今までとは違って新雪になる。朝早くに除雪車がここまで来るはずはなかった。

1月の旧中山道のような山道が延々と続く。歩行者はもちろん、車にも出会わない。ここは青鬼で行き止まりになっているからだ。上に行くにつれて雪が深くなっていき、道路なのに登山靴は完全に埋まる。大糸線の走る谷からもどんどん離れていき、位置が良くわからない山奥になった。ネットには「冬の道は危険で転落事故も起きているので地元民以外は運転しない方がいい」とあったが、本当にそう思う。急傾斜・急カーブ・積雪が揃っているので、スキー場の林間コースを想定すべき。

信濃森上駅から50分、ようやく集落に着いた。入口には石仏群があるのだが、雪が深いので近づかなかった。この青鬼集落は全14軒、うち9軒は定住者がいる。ここは茅葺屋根を覆っているので建物への感動は少ないが(薄い雪に覆われているので鉄板むき出しになる季節よりは良い)、こんなところの集落が残っていることに感動した。

メインロードを進んで奥を目指すが、道には全く人間の痕跡がない。車はもちろん、足跡もない。膝までの半分は埋まるので、防水の靴はもちろんスキーウェアのズボンが必須だと思う。家々の間に広めの雪原があるが、雪に覆われているので何なのか分からない。小さい畑でもあるんだろうか。この集落は松倉姓が多く、表札に屋号を一番先に持って来ている家が有った。

ちなみに、ここは写真愛好家こそ少なからず訪れるが、観光化されておらず、お金を使いたくても駐車場代500円と季節営業の小さな直売所(サイダーがあるらしい)での商品購入しか方法がない。今回は冬なので、当然直売所は休み。

家々を抜け、棚田に出た。この集落は面積の半分くらいが棚田じゃないか。ここの棚田は角度があまりないが、奥に広い。完全な新雪地帯だが何となく道は分かるので、膝まで半分埋まりつつ奥へ行った。この辺りが北アルプスを望む絶景ポイントだが、この日は雪と霧で視界が悪く、ほんの薄らしか見えない。棚田が雪解けし、アルプスに雪が残っている季節がベストシーズン。右下の写真、遠くに薄く北アルプスが見えている。


家々の方に戻り、青鬼神社へ行った。長い石段があるらしいが、完全に埋まっている。そのため急坂を上っていくことになった。登りは楽なので、さっさと進む。この道も人間の痕跡はなかった。社殿に到達し参拝し、降りていく。雪の急坂、しかも石段が埋まっているので気を付けないと転びそうな道である。


集落を出るところで、道の雪かきをする住民に出会った。挨拶すると「歩いてきたの?」と聞かれる。まあ、この季節に青鬼へ来る人間は少ないし、徒歩でやってくる人間に至ってはほぼ居ないだろう。

ここからは先程と同じ道を降りていく。明るくなったので、スキー場側の山がはっきり見えるようになった。途中、姫川を越える大糸線の鉄橋のそばに着いたときに時刻表を確認すると、25分待てば南小谷からの列車が通過すると分かった。そのため、ここで座って朝食をとって待った。雪が深いとどこでも座れるので、その点は楽。赤飯と蛸おこわのおにぎりを持っていたが、寒さのせいで固くなっていた。


さて、列車が来たので撮影して帰る。家で気付いたが、水滴が写りこんでいるので残念。

山を下りて駅へ向かう途中、塩島集落の中心部に着いた。歴史的には千国街道沿いで現在はスキー場の近くのおかげか、旅館が多い。

信濃森上駅に着いたが、30分待ちである。無人駅で小さな待合室しかなく、外にいた。10:50の到着を延々と待ち続けて10:40位になった時、「5分遅れます」との放送が。もう少しすると「只今神城駅にて乗降中です」との放送。通常では神城〜信濃森上は10分なので、15分遅れ位で来ると思ったが、最終的に列車が来たのは20〜25分遅れである。

約15分で南小谷に着いた。駅前も栄えてはいないので駅の中にいた。炬燵が有ったが、先客がいる。待っていると、新宿からのあずさが定刻でやってきた。ここは東京まで直通列車があるのだ。今では「東京まで一本」というと大都市に見えるが、夜行や在来特急・急行全盛期にはそこまで珍しくもなかった。

キハ120が入線してきた。1両目はゆるキャラのシール列車で2両目は大糸線塗装である。せっかくなので1両目に。混んでいたが、並んでおいたのでボックスの進行方向窓側を取れた。発車すると車掌が回ってきて、「大糸線のしおり」なるものを配りだした。客はほぼ全員旅行者なので、リゾートしらかみのような観光列車でなくとも配る。糸魚川の車掌グループ製作と書いてあり、景色が良いお勧めのポイントは役にたった。だが、内部製作だからかクオリティが微妙なのと、〆の画像に現存しない糸魚川煉瓦車庫とキハ52を持って来ているので残念。

大糸北線は姫川沿いの狭い谷底を走るので、景色は面白い。谷底が狭い区間では車道も線路も半トンネル構造になっているし、蛇行する姫川の景色も中々である。だが、途中から窓が完全に曇ったのとカメラの内部レンズが曇ったことで殆ど撮影できなかった。

さて、糸魚川に着いた。北陸本線ホームにクモハ413-1が停まっている。新幹線駅舎の建設が前より進んでいた。工事の影響で駅舎が縮小されているしホームも仮の仕切りが立っていて、一時的に残念な感じになっていた。駅前もさびれている感じで、ここに新幹線が来るのか…と思った。だが倶知安程ではない。ここで笹寿司と直江津までの切符を買って待っていた。何故か白人が多い。

ここからはくたかに乗車。糸魚川〜長野はJR乗り納めだ。はくたか車内で先程買った笹寿司を食べた。押し寿司のような酢飯の上にでんぶなどが載っている。まあまあ。トンネルが多いので景色はあまり見えないが、前半は雪山が綺麗で後半は日本海が見える。新幹線化されるといやなのが、新幹線はトンネルや高架になってしまうので景色が悪くなるというのがある。

直江津で降りて、長野行に乗り換える。途中で結構乗り降りがあるが、全般的に空いている。中1の春に1回、この春に2回乗ったので、またかよ感が強い。ただ、新幹線上越駅の建設は進んでいた。最初は雪山を見ていたが、途中から意識が怪しくなる。

長野駅に着いた。30分あるので外へ出た。春に2回来たところ。駅前で大声を出しているおっさんが若い女性に絡んでいた。サンタである。

ここから甲府行に乗り、姨捨へ。姨捨の手前の、左手に善光寺平を見ながら傾斜を上がっていく区間は好き。姨捨のスイッチバックを越え、駅に停車した。下車して撮影しようかと思ったが、そもそも4分停車な上に遅れが出ていたので撮影してから戻れた。この時16:40。17時に日没なので夜景を取っても良かったが、三脚を家に忘れたのでやめにした。姨捨で降りる代わりに松本で降りた。

松本は春に一度来た。松本城に行った時だ。今回は駅前のイトーヨーカドー地下の食品売り場へ。正月飾りと県産品コーナーを見たが、馬肉や川魚、そばなど色々ある。見たことが無い物が多い。くるみ味噌のそばつゆとわさび胡椒を買った。駅に戻ると、自由通路にサンタコスの大学生集団が居てゴミ拾いをしていた。意識が高い集団というものは全国にいる物だ。

時間が有ったので、土産店でアルクマのクリアファイルを買い本屋の「郷土の本」コーナーを徘徊して、構内へ入った。するとアルクマの卓上カレンダーが売っていた。長野県内主要駅限定発売らしいので買った。

その後は南下していく。塩尻まで行くのに東日本車で行くのも飽きたので、中央西線の中津川行で進んだ。塩尻からは辰野行に乗り換える。ここは岡谷〜塩尻間にトンネルが開通する前の中央本線正規ルート。今は支線扱いで特急は来ない。塩尻〜辰野は荷物車を改造したという123系が走っている。内部はオールロングシート。中扉もなく、端から端まで伸びている。意外と人が乗るもので、席は大体埋まって立ち客も出た。

塩尻を出て一駅、小野駅で半分近い人が下車した。学生に加えて通勤客も。地図で確認したら、ここはそこそこの規模の町になっていた。小野の次の信濃川島は大した利用が無く、辰野に着いた。

辰野駅は旧特急停車駅である。駅構内も広いが、今は飯田線と一部の中央線普通列車しか来ない。駅舎は立派だが、これは特急が来なくなる見返りに建てたらしい。そういえばこの1月に飯田線から来たとき、「辰野に特急を!」という横断幕が有った気がするが、今回は見つからなかった。

寒いし暗いので待合室にいた。旅行商品のチラシや地元の高校生の書いたマナーアップ川柳を見ていた。ここで気付いたが、辰野は窓口が入口から見て右側である。あまりないスタイルな気がする。

19:46に辰野を出て、岡谷へ。ここから甲府行に乗るが、当然座れない。だが運が良いことに上諏訪で二人掛け席が空いたのでそこに座った。この区間は真っ暗なので電子辞書の古文単語問題出題機能で遊ぶ。

やっと甲府に着く。高尾行に対面乗換し延々と進む。この辺りは意識が怪しく、いつの間にか高尾に着いた。高尾からは東京行普通列車である。普通で高尾から帰るのは初めて、というか都内の中央線普通列車に短距離以外で乗るのが初めて。通勤客が多いロングシートは疲れる。

そんなことで新宿に着き、山手線に対面乗換して品川から歩いて帰った。