2012/7/24 九州旅行2日目 門司港・折尾・志免

概要

行き先 福岡県
目的 門司港駅、折尾駅、志免立坑櫓見学
同行者 3人
鉄道乗車距離 262.4q


発着時刻 駅名 行先
09:00 門司 鹿児島本線 普通 門司港行
09:08 門司港 (到着)
10:19 門司港 鹿児島本線 快速 荒尾行
10:54 折尾 (到着)
11:50 折尾 筑豊本線 普通 若松行
12:08
12:13
若松 筑豊本線 普通 折尾行
12:31
12:39
折尾 筑豊本線・篠栗線 快速 博多行
13:46
13:52
長者原 香椎線 普通 宇美行
14:11
14:26
宇美 香椎線 普通 雁ノ巣行
14:33 須恵 (到着)
15:54 須恵 香椎線 普通 西戸崎行
16:01
16:11
長者原 篠栗線 快速 黒崎行
16:32
16:44
桂川 筑豊本線 普通 原田行
17:12
12:22
原田 鹿児島本線 快速 荒木行
17:43
17:45
荒木 鹿児島本線 普通 八代行
19:05 熊本 (到着)

当日の流れ

この日は近代化遺産である3つを見に行った。やはり明治〜戦前の日本は面白い。1日限定タイムスリップするならば、関東大震災前夜の東京に行きたい。

大阪からの船は新門司港に入港した。そこからバスで20分かけて門司に行き、鹿児島本線に乗った。私は家族旅行時に香川の端岡駅で買った赤い18を使っていたので、駅員に驚かれた。赤券は印を押されるときに穴が開かないのでマルス券より好き。

門司港駅に着き、駅舎見学を始める。秋から大工事なので、そのままの、ボロボロの姿も見ておくのである。さて、見るからに修理が必要である。多くの箇所で塗装が剥げたり、木がゆがんだりしている。旧貴賓室に行ったが、こちらは目立った損傷はなかった。しかし、古いガラスなので歪んでいる。トイレには蒸気機関車時代の洗面所が残っていた。全体的に、窓枠の色が学校の窓枠の色と同じ、またはそっくりであった。戦前の洋風・擬洋風建築の窓枠でこの色は割と見たことがある。

駅を出て、外から駅舎を見た。実に立派である。立派だけに、写生する人が多く、駅前のファミマには「ここで絵を描かないでください」という看板が以前はあった。時間が多少あるので税関など古いビルの多い地域を一周してきた。

門司港から鹿児島本線で折尾に行った。ここは1916年築の駅舎が現役であるが、もうすぐ解体される予定である。門司港や東京のような大規模駅でも、大隅横川のような田舎駅でもない中規模駅で現存するのは僅かだろうに、壊してしまうのは非常にもったいない。構内には日本最古の立体交差や、天井が煉瓦の通路があったり、古めかしい柱とそれの周りの椅子があったりと、面白いものが多い。駅構内にJR職員向けの理髪店の看板もあったが、廃業していた。

また、駅前に廃線になった西鉄の路線の高架跡として煉瓦のアーチが有った。ねじりまんぼ、という煉瓦を斜めに積むことで斜めのアーチを作るという工法の貴重な施工例だが、これももうすぐ解体である。

ここから若松に行って折尾に戻った。若松は炭鉱で栄えたころは膨大な貨物を扱っていたので敷地だけは広い。折尾に戻ったらば、福北ゆたか線ホームへ行くが、一旦改札を出て道路を挟んだ向かい側のホームに移動しなければならなかった。

折尾から長者原を経由して志免に着いた。ここから1.5kmほど歩いて旧志免鉱業所の立坑櫓へと向かった。高さ53mの櫓なので遠くからも見える。また、ボタ山がかなり広がっていた。近くに到着してみてみると、圧巻である。デザインを完全に捨てて機能のみに特化したものの美に、打ち捨てられて得た物が加わっている。廃墟マニアがやってくるのも当然である。

ここからは帰るのみ。原田線を経由して熊本に着いた。

JR九州に乗って思ったが、普通列車が個性的であった。外見も他の会社とは異なるし、内部もである、木の板を主体に、体が当たるとこにクッションをつけるなど面白い車両もある。

さて、この日見た3つを比較すると、はっきりと分類できる。1つ目は、町のシンボルとなり観光資源として活用され、税金で大規模改修を受けられる門司港駅。2つ目は、同じく貴重で美しい姿ながら住民の意思で破壊される折尾駅。3つ目は住民に愛着を持たれつつも廃墟として放置されている志免立坑櫓である。文化財保護の観点でいえば、1つ目が成功例、2つ目が失敗例、3つ目が失敗こそしていないが成功もしていない例だと思った。