2012/8/9 北海道旅行3日目 宗谷バスの旅

概要

行き先 宗谷岬、猿払村鬼士別
目的 宗谷地方散策
同行者 なし
鉄道乗車距離 396.2q


発着時刻 駅名 行先
05:45 稚内 宗谷バス 天北宗谷岬線 音威子府行
07:19 鬼士別 (到着)
07:45 鬼士別 宗谷バス 天北宗谷岬線 稚内行
09:25 稚内 (到着)
14:12 稚内 宗谷本線 普通 旭川行
15:12
15:49
幌延 宗谷本線 普通 旭川行
20:15
20:46
旭川 函館本線 普通 岩見沢行
22:24
22:32
岩見沢 函館本線 普通 手稲行
23:14 札幌 (到着)

当日の流れ

この日は、まず宗谷岬のあたりを観光し、稚内市内を見て札幌へ帰る予定だった。

宗谷バスに乗らないと何も始まらないので、とりあえず5:45稚内駅発の天北宗谷岬線に乗る。定期観光バスは発車が遅いのでやめた。

5:30前に駅前に着いたが、数人待合室にいた。ここに居ても何もないので、港を見てきた。利尻・礼文・コルサコフに航路を持つハートランドフェリーの船が停泊していた。防波堤ドームも見えたが、稚内に帰ってきてから見ることに。

バスに乗車した。最初は稚内市街地を走っているが、途中で一気に何もなくなる。左手に海、右側に丘陵地(宗谷丘陵)が続く。海沿いには漁師の家が割とある。漁師と言っても、多くは魚ではなく昆布を扱っているように見えた。漁師の動きがはっきり見える近さに多くの小舟が出ていて、昆布を引き上げている。海岸では昆布を干している漁師もいた。女性と若者は非常に少なかったと思う。

この辺りで宗谷岬に着いた。しかし、宗谷岬で降りるとバスの関係で稚内に帰るしかなくなる。稚内に帰っても何もなさそうなので、さらに先に進むことにした。

バスは延々と進んでいく。このような最果ての地に住む人は少なく、途中のバス停も「鈴木宅前」のようなもの(といっても鈴木家のほかに数件あるのだが)になる。このような個人名バス停は幾つかあった。

途中、文字通りの原野が続く地帯が有った。自然のままの蛇行し上下する道を10分以上走り続け、ようやく次のバス停に着いた。最北路線は最果ての地という表現がぴったり。

そんなことで7:19に猿払村の鬼志別バスターミナルに着いた。稚内から約2時間。ここは昔、天北線の駅があった所で、猿払村役場や小学校も近い。稚内方面行のバスが来るまで、町を徘徊した。朝早いせいで、町にはほぼ誰もいなかった。セイコーマートの1つは有るだろう、とググったが、一つも無かった。一見すると普通の寂しい町だが、歩いているとガソリンスタンドの廃墟を見つけた。また、看板に「←鬼志別駅」とある。鉄道駅などとっくに消えたのに、看板はそのままだ。そんなことで凄く寂れた印象を持ったが、ここはホタテ漁獲量日本一、そして自衛隊基地があるので意外と大丈夫そうであった。


ここを7:45に撤退し、宗谷岬へ向かった。先程のルートを進み、8:29に宗谷岬に着いた。

集落は1つ前のバス停の大岬小学校付近にあるので、この辺りは岬と土産屋しかない。とりあえず日本最北端の地のオブジェの方へ。早い時間なので団体客は居ない。代わりに、ライダーで混雑している。さらに言えば、そこにいた人間の7割がライダーだったんじゃないかと思う。確かに景色が良い道路である。北海道一周ツーリング中の人もいた。

最北端の地のオブジェで写真を撮る人が多かったが、残念ながら彼らより数メートル北、つまりオブジェの裏に私が居たので彼らは最北端の人間ではなかった。まあ、私の奥にも漁師が見えるのだが。ともかく、最北端の日本の地を踏んでいる人間にはなった。

特にすることは無いので、宗谷丘陵の端を少し上った所にある海軍の望楼に行った。古くて中には入れないが、見かけはきれいに残っている。奥に続く丘陵はどこまでも続きそうなので下に降りた。下にはウォーキングコースの案内があったが、15q近い上に、「途中トイレや売店は有りません」という厳しさ。ゴールにはバス停があるものの、本数が非常に少ないため、ペースを誤ると悲惨。

近くに、何故か神社があった。その名も宗谷岬神社。最北の神社なのだろう。絵馬でも見ようかと思ったら、無かった。適当に参拝し、バス停へ。

そうして11時に稚内に着いた。とりあえず港へ。コルサコフ行は10時に出港していた。大きなターミナルからのアナウンスが響く。ただ、あまり人は多くない。

防波堤ドームの方へ歩いた。1936年築の古代ギリシア的な半円状のドームで、防波堤兼屋根付き通路になっている。端の方に石碑かオブジェが有ったが、立ち入り禁止になっていた。

贅沢に土地を使う公園を抜け、商店街に行ってみた。まずは相沢食料百貨店へ。北海道だけあって、羊肉の在庫が豊富。謎のタレもあった。ここを出て、小さな商店の並びへ。なんと全ての店の看板にロシア語が。ロシア船の船員が来るのだろう。ちなみに、バス停の案内にもロシア語がある。異様。

町に大したものはなさそうなので、駅へ行った。この駅は映画館までついている妙に豪華なものだ。2階にある市民向けコーナーで新聞を読んでいた。

列車が近いので、お土産屋へ。宗谷漁協のホタテ貝柱を買った。歯に挟まる、と家で酷評されたが、味は良い。弁当として、おおなごの棒寿司という初見の物を買った。稚内限定らしいが、普通の魚だった。まあまあ。添えられていたホタテが良かった。

さて、ここからは宗谷本線6時間の旅が始まる。待合室に結構人がいた。外国人も多いが、何をするんだろうか。確実に窓側を取るため、改札5分前くらいから窓口前に居た。だが、結局後ろには5人も並ばなかった。バスか特急を待つ客だったらしい。

列車内に入り、とりあえず窓側をとった。ここで席を回そうとするが、回らない。そんなことは有るまい、と試行錯誤するが無理だった。近くのおっさんにっ固定式だと言われて、諦めた。結局、ここから6時間ずっと後ろ向きだった。コスト削減とはいえ辛い。14:12分、稚内を出た。


今回は明るい時間なので、牧場が良く見えた。牛が多いが、人は少ない。乗客も10人居ない。近くの自転車乗り2人に扇風機をつけるよう頼まれたので、スイッチを押した。扇風機のスイッチは初めて触った。途中、暇なので窓を開けた。涼しい。車内は非冷房である。

今回の長時間停車は幌延であった。約30分あるので、下車した。無駄に長いホーム、線路や設備を剥がされた広い敷地などが寂しげ。北緯45度の町、トナカイ牧場のある町、ということをアピールしていた。


駅舎内にはストーブがあった。そして、沿岸バスの萌えキャラポスターも。結構萌えキャラに力を入れているようだ。外に沿岸バスの留萌行の車両が泊まっていた。古そうな車両だ。


幌延を出て、延々と進んでいく。往路で降りた豊清水では誰も乗り降りしなかった。また、車内に非常用梯子が装備されていることに気付く。雪で走行不能になった時の脱出に使うのだろう。

真っ暗になってから、比布駅に着いた。ぴっぷ。ピップエレキバンのCMで使われたらしい。多少の乗下車はある。

そうしてやっと旭川に着いた。なんて綺麗な駅舎だろうか。ここ6時間、木の小屋や貨物列車の車掌車転用の駅舎ばかりだったので余計そう感じる。ここで駅弁を調達し、札幌へと向かう。ここからは暗いので寝た。