2012/8/29 海野宿
概要
行き先 | 長野県東御市 海野宿 |
目的 | 重伝建見学 |
同行者 | なし |
鉄道乗車距離 | 574.4q |
発着時刻 | 駅名 | 行先 |
---|---|---|
04:51 | 品川 | 山手線 東京方面行 |
05:10 05:13 |
上野 | 東北本線・高崎線 普通 高崎行 |
06:55 06:58 |
高崎 | 信越本線 普通 横川行 |
07:31 08:20 |
横川 | JRバス碓氷線 軽井沢行 |
08:54 09:27 |
軽井沢 | しなの鉄道 普通 小諸行 |
09:51 10:02 |
小諸 | しなの鉄道 普通 長野行 |
10:12 | 田中 | (到着) |
11:29 | 田中 | しなの鉄道 普通 小諸行 |
11:38 12:06 |
小諸 | 小海線 普通 中込行 |
12:32 12:39 |
中込 | 小海線 普通 小淵沢行 |
14:23 14:30 |
小淵沢 | 中央本線 普通 高尾行 |
15:21 15:25 |
甲府 | 身延線 普通 富士行 |
18:15 18:30 |
富士 | 東海道本線 普通 熱海行 |
18:50 19:16 |
沼津 | 御殿場線 普通 国府津行 |
20:52 21:04 |
国府津 | 東海道本線 普通 東京行 |
21:21 21:23 |
茅ヶ崎 | 相模線 普通 橋本行 |
22:13 22:18 |
橋本 | 横浜線 普通 八王子行 |
22:29 22:35 |
八王子 | 横浜線 普通 東神奈川行 |
23:29 23:32 |
東神奈川 | 京浜東北線 普通 大宮行 |
23:57 00:06 |
品川 | 京急本線 普通 京急川崎行 |
00:09 | 新馬場 | (到着) |
当日の流れ
家族共用のはずだった18きっぷが3日分も余るという予想外の出来事が起きてしまい、私が使うことにした。東海地方に行く気があまり起きなかったので、東日本の未踏区間へと行ってみることに。
いつものように家を4時に出て、品川へ。山手線で上野へと向かう。空が異常に真っ赤だった。そこから北上し、高崎へと向かう。この辺りでは学生が多いが、高崎から信越本線に乗り換えたのは少数のおっさん・学生と自分位だった。普通に考えて、平日の通勤通学時間帯に高崎から横川方面に行く層は少ないだろう。横川に近づくにつれて、どんどん人が減っていく。初めの方こそ市街地があるが、横川付近は斜面の角度が異常な妙義山が左手にそびえる。横川になると、後2両には私しかいなかった。
横川に着くと、峠の釜めしのアピールが激しかった。構内に店、構外にも受付口、そして駅の近くに本店がある。だが、まだ7時半なので開いていなかった。ここで50分待ちなので、外を徘徊する。
信越本線のレールは駅の外に伸びている。そこを辿ると、碓氷峠鉄道文化むらに至った。EF63の運転ができるという非常に楽しげなスポットだが、本当に体験用線路が園内を一周していた。また、奥の方へ回り込んでみると、過去の電気機関車、キハ20、189系電車などなど色々屋外展示されている。残念ながら朝からは開いていないので、外からのみみた。時間はまだまだあるので、廃線区間を利用した遊歩道を進んでみた。下り線の方は鉄道文化むらがトロッコを走らせており、歩行者は上り線を歩いてく。そのため、左に線路、上に架線の支柱という、線路を歩いているような珍しい光景が見える。ここを適当に進んだが、10分程度では同じような景色の場所にしか着けなかった。バスの時間があるので、引き返す。
途中、碓氷の関跡への標識が有ったので寄ってみた。しかし、個人宅のような感じなのでスルー。見どころはそれよりも、町並みではないか。木造の商店が割と残っている。古めかしいデザインの看板などがあったが、地元民が結構いたので撮影はしなかった。
横川のバス停に着いたのは発車10分前くらいの08:20だが、なんと20人ほどの行列ができていた。軽井沢まで直通なので500円の運賃を払い乗りこむが、窓側の席に座れたのは私の次の人が最後だった。発車寸前に来た人もぎりぎり座れたが、混んでいる時だと立ち客が出るらしい。バスで立ち客、というと普通に思うかもしれないが、この路線は観光バス型である。そのため、つり革もないのに35分間立たなければならない。これは辛い。
ここから碓氷峠を越えて軽井沢へ向かう。群馬・長野県境である。なお、このバスは新しいバイパスを通るので、途中は何も無いし鉄道関連遺跡は見えない。ただ、傾斜がきついのは流石碓氷で、登り切った所からは10秒くらい景色が良かった。
軽井沢市街に入ると、道路がきれいだった。また、別荘や不動産業者の店が多く表れる。滞在者向けのスーパーに加え、レゴの店まで有った。リゾートの雰囲気が強い。バスは駅に到着したが、列車までは30分ある。まずは駅前を歩くが、土産屋や貸自転車屋、観光案内所位しかなかった。駅前自体はあまり栄えていない気がする。由布院は駅前に土産屋の通りがあるのだが。駅は新幹線が来るだけあってきれいな物で、待合室や売店などもある。ここで、ある観光客が駅員に尋ねていた。
「荷物を預けたいんですけど、下のロッカーに空きないんですよね。他にロッカーないですか?」
「いやー、ないですね。はい。…はい。」
駅周囲にも他にロッカーが無いようなことを言っていたが、それであれば観光地として不親切なんじゃないか。駅で預かってやれよ、とも思ったが「本日は荷物一時預かりを中止させて頂きます しなの鉄道」という張り紙が。運がない人だ。
時間が近いので、田中まで切符を買った。券売機のあたりには、「サマーウォーズ」と「あの夏で待ってる」のポスターが大量に貼られている。前者は上田、後者は小諸を舞台にしたアニメらしく、観光客を呼び込もうとしているようだ。当然、記念乗車券もある。
さて、電車に乗り込んだ。そこそこの人入り。灰色に赤という奇妙な塗装だったのにも驚いたが、整理券が無かったのにも驚いた。数少ない無人駅では、駅に乗車証明を出す機械があるらしい。
電車は小諸を経由して、田中に着いた。田中駅なんて日本にいくつもありそうだが、実はここだけ。越後田中(飯山線)とか田中口(和歌山電鉄貴志川線)はあるけども。木造駅舎の周辺には小さい電気屋やFM局などが有った。道路はかなりきれいである。補助金でも降りたのだろうか。
ここから海野宿を目指す。なお、海野宿はwikipediaに「田中駅から10分」とあるが、駅前の看板だと18分である。実際このくらい掛かった。元々、海野宿は田中宿の付属品のようなものだったが、1742年の洪水で田中宿が被害を受けたので、本陣が海野宿に移ったという。海野宿までの田中宿も古い建造物はそこそこある。しかし、海野と違って補助金が無いので、壁が崩れかけているなどの損壊が見られる。進んでいくと海野宿への古びた地図看板があるが、未だに信越本線になっている。
海野に着くと、入り口に白鳥神社があった。ここは海野氏の先祖を祀っており、海野氏が建てた本殿があった。また、木曽義仲が挙兵して軍勢を集めたのもここらしい。ここは参拝だけして出た。
海野宿の本通りに入ると、入り口にお土産屋が有った。また、旅館や飲食店など色々営業しており、意外と賑わっている。住民向けの食料品店は無かったが、家の前に野菜を置いて、観光客向けの無人販売所としている家は幾つかあった。
伝統的建造物の残存率は高く、空気を読んでいないのは一軒しか記憶にない。また、宿場衰退後に養蚕を始めた家が多く、屋根の上に換気用の窓がある小さい屋根を付けている家も多かった。このような、歴史を踏まえた地域の特色というものは非常に好きである。
この宿場の最大の特色は道の形態であろう。田中宿側から見て左側にだけ歩道が有り、右側は一車線の車道である。そして、歩道と車道を分離するように水路と植え込みの列がある。これは独特なんじゃないか。ただ、左側の住民は良いだろうけども、右側の住民はどうなんだろうか。
また、しゃもじを玄関の上に貼っている家が有った。民俗学の本で「近畿を中心に、老人が喜寿を迎えるとその名前を書いたしゃもじを近隣・親類に配る習慣がある」と呼んだことがあるので、それの関連だろうか。しかし、しゃもじに名前は書いていなかった。(かなり古そうな痛んだしゃもじなので消えただけかもしれないが)
時間もあるので、海野宿の反対に行ったところで駅へ引き返した。この時間になると車の観光客や宿泊者で割と賑わう。素材は素晴らしいので、アピールすれば人は来るんじゃないか。帰りに古びた鉄板の橋を渡ったら、へこんだ。怖い。また、コンクリの斜面をくりぬいた道祖神も見かけられた。
ここからは小諸に向かう。小諸では25分ほどあったので、小諸宿本陣だけは見ることに。小諸駅は駅前が低い所にあり、商店街が上り坂である。あまり見たことのない光景だ。また、ここは新幹線開通で東京からの特急が来なくなったこともあり、割と寂れている印象だった。最近アニメの舞台になったのでそれを売りにしているが、サマーウォーズを観光に活用している上田ほど上手くはいっていないようだ。
本陣までの途中、大手門跡はあったがスルーした。そして5分ほどで本陣に着く。本陣周辺は景観整備したようだ。本陣は表現が難しいが、非常に面白い外見である。街道沿いに見られた問屋場建築というらしく、残存例は小諸と醒ヶ井のみのようだ。しかし、老朽化のせいで内部は見学不可である。工事はしているらしい。
本陣周辺にも数軒昭和前期以前の建築が有り、そちらも立派である。(写真のレストラン兼土産屋は昭和中期以降かもしれない。右は製材業者の事務所。)
さて、小諸駅は意外なことにコンビニ形態の店がない。(駅前にすらない)KIOSKはあるが、ホームにあるような、商品が並べてある奥におばさんが立っているものであり、品数が少ない。しかし、地元のおばあさんが駅舎内に長机を並べて手作り製品を売っていた。これはこれでよいのだが、コンビニが無いのは不便だろうに。なお、ホームに「切符は正しく買おう」というアンパンマンの巨大な絵があるのだが、現在はポスターを大量に貼られている。
ここからは小海線に。意外と混んでいる。ハイブリッド車両キハE200を期待したが、キハ110であった。途中の佐久平は新幹線停車駅なので、そこからの客も多い。なお、佐久平周辺のどこかの駅の案内に、「1番線 佐久平・小諸・東京方面」というような表示が有った。間違いではないんだが。
中込で乗り換えるが、こちらもキハ110。運がない。龍岡城駅付近では五稜郭が見えないかと思ったが、見えなかった。ここは高原路線で、小諸を野辺山では700m程差がある。しかし、遥か下を望む車窓でもないので、あまり実感できなかった。野辺山の「JR最高駅」の表示もいきなり出現して驚いた。
途中、団体客の襲来に見舞われながらも小淵沢に着いた。ここから甲府へ。甲府のホームにあるkioskで山梨日日新聞を購入。ここからは身延線。学生が多かった。結構先の方まで乗っている。甲府・富士の両端の辺りは利用者が多いようだ。
途中で寝たので、さりげなく富士に着いた。富士というとやはり製紙工場のイメージである。駅前からも煙突が見えた。ここで12時間ぶりの食料を補給し、沼津へ進む。沼津からは御殿場線である。これも初めの方は混んでいるが、真ん中あたりになるとガラガラである。ただ、松田辺りになるとまた混みだすのでロングシートを何席も使うのは中止しなければならない。
国府津から東海道線で茅ヶ崎へ行き、そこから橋本へ向かう。相模線はドアがボタン式開閉であった。都心並みに混んでいるが、人が降りる駅は限られている。橋本から更に進み、八王子へ。5分で折り返しなのですぐ座ればよいものを、外に出たので席は八王子からの乗車客に奪われ、帰りは途中まで立つ羽目に。東神奈川からは普通に帰宅である。